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2日間続けての撮影の翌日は、本当に朝起きるのがつらいです。「がばっと気合いを入れて起きる→誘惑に負けダンゴムシのようにうづくまる」を何度繰り返すことか。肉体労働です、本当に。
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by hanayomedamono
| 2004-08-30 15:40
| つぶやき
vol.6 「カメラマンはスパイだもの」
最近人気の結婚式といえば、レベルの高い料理でゲストに喜んでもらえるレストランウェディングや、一軒家を貸し切ったような気分になれるハウスウェディングである。私のように30歳間近ともなると、友人の結婚式に招待される頻度も増え、寿貧乏の月なんていうのもある。もうちょっとみんなバラけて結婚すればいいのに。そして、結婚式が慣れっ子になった未婚女性たちの会場での会話と言えば「○子の結婚式は会場の人がヤな感じだった」とか「○美の結婚式は装花が豪華だった」などと各会場に関するコメント。「オリジナル」にこだわる今時の都会の女性たちにとって「ホテルでの結婚式」というのは最初から選択肢に入っていないようで、あーだこーだと評論家ばりの意見交換がひと通り済むと決まって私への質問にうつる。 「どこが一番よかった?」。 ・ ・・・。 むずかしい。(ていうか、結婚の予定ないのに?私もだけど。) だって、みんなが「何を」大切にしたいか、「何に」こだわりたいのかで大分、答えは変わってくる。長いバージンロードを歩くのが夢!という人もいれば、お庭で写真をたくさん撮ってほしい!という人もいれば、親戚が田舎から大勢来るから交通の便がいいところが第一条件!という人もいる。だから私はいつも、こう答える。 「一番よかった会場は言えないけど、やめたほうがいい会場は言えるぜ」 トレンチコートの襟で口を隠しながら。意地悪そうな顔で。ふふ。 なんてったって、ウェディングフォトグラファーはスパイである。2人の会場到着から送賓に至るまで、メイクさん、介添え(アテンド)さん、司会者、プランナー、キャプテン、お花屋さん・・・と、その日一日に関わる人々の行動を鋭くチェックし、裏での会話に耳をダンボにしているのは、何を隠そう、私です。 今日の結婚式は「ハウスウェディング」。できたばっかり。 →何かが起こる予感。 予想通り、スタッフの方たちはあまり要領を得ていない様子。式を挙げるフロアでのイス並べもままならない。「あ、そんなに狭くしちゃったら、私が式中に通れないではないか!」とか、「その角度に並べたら、そこに座った人はせっかくの花嫁さんが見えないよ」とか心の中でヤキモキしながら、横目に様子を眺める。やっとのことで並べたイスの間に、赤い絨毯を引き、コロコロでゴミを取り始める。よかった。もうすぐ完成。ゲストがヴァージンロードを踏まないように、ポールも置いて、はい完成。スタッフの男の子2人→達成感でいっぱい。 そして主役の二人の支度も完成。目を細めて嬉しそうに手をたたく、親族たちの間をぬって、親族紹介へ。緊張の面持ちの中、両家がずらっと勢揃い。そしてキャプテンは両家の名前を間違える。 イヤな空気。 親族集合写真へ移る時に、プランナーの女性が花嫁に駆け寄る。「おめでとうございますぅー!!やー、いつもと全然違う!今日は本当にきれい!」 あぁぁぁぁ!!。もっと言葉を選んでよぉ!元気でニコニコ、とにかく明るくという姿勢は認めるけど、その言葉はちょっと気遣いが足りないぜい、プランナーさん。せっかくの嬉しそうな花嫁の表情が、ちょっと曇る。「今日は」って強調しなくても。 その後の挙式会場へのゲストの誘導も頼りなく、車イスのお年寄りをほったらかしにしたり、両家の親を逆に座らせたり。プランナーの彼女はというと、披露宴で使うBGMが入ったMDが見つからず、今頃あたふた。最終確認とかないの、昨日とか。ねえ。ていうか、もうすぐ式がはじまる・・・。 サービスって何だっけ、何だっけぇえええええ!! ちょっとした殺意を覚えながら(うそ)、父と娘の入場に備える私。その会場は入り口からヴァージンロードまでの距離がけっこうあったので、父と娘の後ろ姿や始まる直前の緊張した横顔などをおさめてから、一番前にまわって2人を正面から撮る作戦。 気持ちを切り替えて、よし、がんばるぞ!少し震える父上の腕に、彼女が腕を通す。父上の表情をファインダー越しに凝視した途端、胸がキュン。例のごとく「超簡単に」泣きそうになる自分に自己嫌悪しつつ、早歩きで一番前に移動する。 そして、父と娘がヴァージンロードに一歩踏み出そうとした瞬間であった。 !!!!!!!!! ポ、ポ、ポールが外されていない!!父と娘が「ヴァージンロード立入り禁止状態」である。ゲストはそれに気づき、周りを見渡す。あたふたあたふた。信じられないことにスタッフは誰一人気づかず、にこにこと立っていた。 ちょっとおおお!!早くポールを!ポールを!(って別に外人のPaulじゃなくってよ) 私がいくらジェスチャーでスタッフに合図を送っても、「へ?」っという顔で通じない。イライラ、ドキドキ。すると、またまた信じられない出来事が!しびれを切らした父と娘は、なんと またいだ。 ポールをまたいだのである。(って別に外人のPaulをまたいだんじゃなくってよ) 私は立ち上がり、その大胆な選択にスタンディングオベーションをしたい気分だった。 その日の結婚式は、ここでは書ききれないぐらいハプニングが多く、私が経験した結婚式ではワースト3に入る、会場側のお粗末さであった。○百万円もかけたのにね。 無事に撮影を終了したとはいえ何とも後味が悪かったその日は、帰り道に飲むビールは「グラスビール」という気分ではなかった。友人に電話をして自宅に一旦帰り、シャワーを浴びていざ出陣。居酒屋で大ジョッキを傾ける。 2人のために、自分が残したい写真を撮れる環境を作り出せなかった日は、やはり落ち込む。先を読んだ上でのスタッフとのコミュニケーション、チームワークは本当に大事だなと反省しつつ、「ちっくしょー、あいつら」と悪態をつく。これでまた一つ、挙式会場候補が消える。 ウェディングフォトグラファーは未婚女性には向かない職業かもしれない。 #
by hanayomedamono
| 2004-08-27 17:58
| 結婚式会場
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